
退職金と
リタイア後の生活費
早めの準備と具体的なシミュレーション
仕事や子育てに一生懸命取り組んだので、定年後は今までやってみたかったことを思う存分楽しみたい、またゆっくりと悠々自適に暮らしたいと考える方は多いのではないでしょうか。
海外移住や田舎暮らしも魅力的ですね。
その一方、現実的な問題として「リタイア後の生活費」はとても気になることではないでしょうか?
ご自身がイメージするリタイア後のライフスタイルを実現するために、生活資金がどのくらい必要かを早めにきちんと把握することが大切です。
3つの時期に別けて考える
定年後と言っても15年以上あります。3段階に分けて生活パターンを考えるとよいでしょう。
環境を変えたくない場合はリフォームをして安全で快適な空間を作るという方法もあります。
- 60~64歳:年金受給できない期間
- 65~79歳:旅行や趣味等、人生を楽しむ期間
- 80歳~ :介護、旅立ちの準備期間
まずは60歳以降の働き方やリタイア年齢を決めた時点で、必要な生活費を把握することをお勧めします。
70代前半は世界旅行に行きたいから、ぎりぎりまで働いて資金づくりをする、60歳できっぱり現役を引退し、なるべくお金を使わないでゆっくり過ごしたい。
老後の過ごし方はそれぞれです。年齢により、制限される行動も出てくることを見越して、年代別に3段階で考えるとイメージがつきやすくなります。
より具体的にするために
収支を想定しておきたいといっても、いきなり何から手をつけてよいかわからない場合は順を追って以下を考えてみてください。
①定年後の生活
- 何歳まで働くか
- 定年時、配偶者は何歳か
- 現在の生活水準は維持、上げる、下げるのどれか
②自分と家族
- 何歳まで生きると想定するか
- 自分が死亡後、妻は何年生きるか?
- 住宅ローンがある場合何歳で完済か?
- 現在の毎月の生活費
- 定年後の住居費
③出費やリスク
- 子どもの結婚式(援助)にかかる費用
- 子どもは順調に独立できそうか(就職浪人、進学等)
- 家族や自分の病気・ケガ・災害など万一のリスク
- どうしても実現したいことがあるか(世界一周等)?
- 住宅のメンテナンス費、住み替え
- 車の買い替え
④収入
- 公的年金の受取額と開始時期
- 退職金の額
- 生命保険の保障額
- 定年後、再就職した場合の収入
⑤資産と負債
【資産】
- 現金、預貯金
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 積立型保険・財形など
【負債】
- 住宅ローン
- 車その他のローン
⑥親
- 遺言状の有無
- 介護の費用負担
まとめ
誰もが不安を抱くリタイア後の生活費。一体いくらあれば安心して暮らせるのだろう?
最低3000万円必要、いや1億はないと悠々自適には過ごせない等様々な情報が溢れています。
必要な額は地域や個人によって大きく変わります。まずは現役時代にリタイア後の生活をイメージし、具体的に数字にしてみることが大切です。なにも準備をしないまま、リタイア後の生活へ突入し、定年前よりも定年後の方が生活費がかかっているという例もあります。